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三重県のローカル線 −名松線−

  名松線の沿線風景  君ヶ野ダムの桜


 君ヶ野ダム周辺の桜は、三重県の中でも、桜の名所として知られている。筆者は、JR東海の青春切符を片手に、満開の桜の季節に誘われて行ってみた。
 
 (写真をクリックすると拡大します)
君ヶ野ダムへは、名松線伊勢竹原駅で下車する。この駅は無人駅である。正面に小さく見えるのが駅舎。
 君ヶ野ダムへは、松阪駅から名松線に乗って、伊勢竹原駅で下車する。所要時間は松阪駅から45分で、運賃は570円だ。(平成21年10月8日の台風18号の被害で、名松線は家城以遠は不通となっており、代行バスが運行されている。名松線を利用する場合は、家城駅で下車し代行バスに乗り換え、次の伊勢竹原まで行くことになる)

 伊勢竹原駅の近くにはレストランや昼食を購入する店はなかったが、菓子を売っている店があったので、立ち寄って煎餅などを買い、道順などを聞く。県道29号線(松阪青山線)沿いに、君ヶ野ダム方面に少し歩くと、ダムの雄姿が見えてくる。緩い昇り坂を上がっていくと、桜並木が現れる。ダムに空けた穴から、小型発電機でも回したらどうかと思うほど勢い良く、遠くにまで飛ぶ放水が見られた(上から3番目の写真)。

 更に、坂を登って桜の並木沿いに歩き、雄大なダム湖と青空の間に咲くみごとな桜を楽しむ。

 ダム湖を時計方向にしばらく回ると、君ヶ野ダム公園がある。ここには、出店があり、花見客でにぎわっていた。伊勢竹原駅からここまでの距離は約2.7kmである。

 ダム公園で引き返そうと思ったが、伊勢竹原駅の2時間後の列車に間に合いそうもなかったので、不安ではあったが思い切って湖を周回することにした。というのは、筆者は、定年退職後、ろくに散歩もせずに、毎日パソコンに向かうような生活をしていて、脚がかなり弱くなっていたからだ。

 しばらく歩くと、ソメイヨシノの並木が途切れるところがある。ここには、緋色の花の咲いた桜の苗木が何本も植えられていた(下から2番目の写真)。まだ、植えて2〜3年かと思われるものが多い。子供の誕生記念で植えられたことが、樹毎に付けられた文字板から分かる。将来は、沖縄の八重岳の緋寒桜のように、ソメイヨシノとは違った見事な桜並木になるかもしれない。子供の誕生記念に樹木を植えてもらうのは、地域で並木を作っていくのには良い方法かもしれない。

 ダム湖の山側の桜並木への花見客は少ない。しかし、山側には、ヤマザクラが見られ、ソメイヨシノと違った美しさを味わえる。山側のソメイヨシノの枝には、テング巣病が多く、緑の小枝が叢生して桜の美しさが損なわれている。桜の樹はかなり大木であるので、病巣を除去するには高所作業車が必要だろう。

 レイクサイド君ヶ野の入り口付近まで来たときには、足は棒のようになり痛くなった。ここまでの行程は約7.6kmであった。しばらく、石に腰掛け、休息を取って、やっとまともに歩けるようになり、伊勢竹原駅を出発してから4時間後の列車に乗り遅れないように坂道を伊勢竹原駅まで下った。このウオーキングの全行程は約9.8kmであった。

 この花見ウオーキングでは、ゆっくり写真を撮りながら歩き、いろいろな桜の風情を楽しみ、思い出に残る花見となった。車を飛ばして、景色の良いところでちょっと下車して見るのとは違って、スローで、連続した桜の景色を楽しみ、脳裏に刻みつけることができた。

 君ヶ野ダム湖の桜は、湖を背景とする雄大な景色の中にピンクの彩りを添え、また、満開の桜花の枝の間に青い湖を眺めることができるなど、桜の名所と言われることに合点がいった。健脚の方には、様々な桜を見ることのできる1周コースをお勧めする。(写真は、いずれも2008年4月8日撮影)  
伊勢竹原駅から君ヶ野ダムへの道を歩く。途中に満開の桜や他の花木も見られる。
君ヶ野ダムの雄姿。この時にはダムから放水されていた。ダムの右上に見える桜並木はレイクサイド君ヶ野の桜だ。
これから、時計まわりでダム湖のまわりを歩く。湖のまわりには、桜並木が続く。
向こう岸の桜並木は、「レイクサイド君ヶ野」の桜。

君ヶ野ダム公園付近の桜並木。公園にはベンチが並び、シートを敷いて花見をしている人達もいる。
君ヶ野ダム公園を過ぎてしばらく行くと、ソメイヨシノの並木が少なくなる。一方、写真にある緋色の桜が植えられている。誕生祝いの記念で、名前が書かれた札が付いている。緋寒桜の仲間であろうか、緋色の花が鮮やかだ。
君ヶ野ダム湖を周回して山側の小径を歩くと、ソメイヨシノと違ったヤマザクラが多く見られる。これもまた美しい。


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